おいも研究室

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読書『いい空気を一瞬でつくる/秀島史香』

自分は話すことが苦手である。上司や、ちょっと距離のある人と、2人きりで移動したり、飲み会で隣になってしばらく話さければいけない時「どうしよう・・・」と、まごまごしてしまう。そして、思考が停止して沈黙、気まずい雰囲気になる。

こんな自分が嫌である。コミュニケーションがうまい人を見ると、羨ましいと思う。思い返すと、自分のこの病気は中学時代から始まった気がする。なぜ自分は、このようなシチュエーションが苦手なのか?どうしたら克服することができるのか?大好きなDJが書いた一冊を手に取った。

声を出す勇気

まず、自分はなぜ話す事が苦手なのか考えてみたい。自分が話しにくい人を例にあげると、①共通する話題がなくて何を話したらいいか分からない人、②話しかけてきてくれない人、③話しかけた時の反応が薄い人、が挙げられる。

共通することは、相手の冷めた反応が怖いということだと思う。自分は「こんな事を話したらおかしいと思われるのではないか」ということを過剰に恐れている。しかし、本書を読んで、話して失敗しても大したことない、どうでもいい、恐れる必要はないのだと考えるようになった。相手を不快にさせたり、傷つけたりしなければ、何を話してもいいのだ。

また、「相手が大物でも勇気をだして突っ込んでみたり、意表をつくようなことを言う」という言葉は印象的だった。どんな相手に対しても、もっとユーモアのあることを話そうと思っていいのかもしれない。しかし、無理をすると痛々しいので、仮に言うとしても自分の身の丈、空気に合ったジョークを。「偉い人と話すのは、心臓に毛を生やす体験」というフレーズが気に入った。

同じ空間にいるからには、話さないと勿体ない。お互い楽しむという戦略的な意識を持ち、やりとりに楽しさを感じられるようにしなければいけない。大切なのは、一言発する勇気を出すことである。

おもてなしとしての会話

本書で「会話はおもてなしである」という言葉を読み、会話に対する意識が変わった。相手にいかに楽しんでもらうかが、会話の面白いポイントだと言える(本来、会話は苦痛ではなく、楽しいものなのだ)。まずは、ネタ帳を作り、おもてなしの準備をする意識を持つことから始めたい。ネタ帳を作るには、料理と同様に新鮮で美味しい素材も必要である。日頃からアンテナを張り、書き貯めることが肝要である。

次に大切なのが、折角集めた素材の提供の順序である。まず自分から素材を提供し、感想を聞くという流れ。すなわち、自分が話をしてから「あなたはどうか?」と話を振るという流れがいい。この順番はとても大切な気がする。逆になると、相手が興味を持っていなかった時に話が続かなくなる。

それでは、ネタが尽きて、何を喋ったらいいかわからなくなったらどうすればいいか。新鮮で美味しいネタではなくても、身近なものでもおもてなしはできるのだ。話題なんて、どんな些細なものでもいい。無言の気まずさに耐える前に、見たままを言葉にするだけでも会話は生まれる。天気・気候ネタはどうでもいいと思っていたけれど、やはり鉄板の話材である。その点で、歳時記を読むのと、コンビニにアンテナをはるのは有効だと思った。

私は「こんなことを話したら、相手はつまらないのではないか」ということに、異常に神経質である。しかし、そんなことは気にしなくていい。自分もそうだが、話の内容がなんであれ、沈黙するよりも喋ってくれていた方が嬉しい。自分が楽しんでいるだけでもいい。相手が何を求めているかわからない。でも、それは当たり前である。フックするように、釣り糸を垂らす勇気を持つことが大事である。

体の使い方

自分は声が小さい。声が通らないというのも、話しをためらう要因の一つである。最近とんと「姿勢を正す」という意識が持てていなかったが、姿勢は発生につながるということを再認識した。頭が糸で吊るされている感覚を持つようにしたい。これは、声だけではなく、見た目など、様々なことにポジティブな効果を波及する。

見た目は大事であるが、面倒くさがってしまっている。でも、やはり見た目はとても大切である。とにかく自信につながる。こだわりをもたねばならない。この前、渋谷で見た高校生にハッとした。そこには、楽しさ、凛とした美しさ、清潔さがあった。羨ましいし、自分はこの年だけれど、年相応な形で見習いたい。

そして、見た目の繋がりで、相手の目を見て話すことも大切である。しかし、うまく目を見ることができていなかった。話し上手な人は(自身もあるのかもしれないのだけれど)目力が強い。自然に相手の顔に目線を向けるコツは、目そのものをじっと見つめるのではなく、鼻のあたりをふわっと見ているぐらいにすることと書かれていた。一応知識としてこれまでも知っていたけど、忘れていて(もしくは、大した事ではないだろうと思ってしまっていて)やっていなかった。これからは実践していきたい。

まとめ

自分が最もダメなのは、緊張しているときである。研修で、みんなの前で話すのに緊張してボロボロだった(フリーズした)苦い思い出もある。緊張すると、言い過ぎようとする傾向がある気がする。シンプルでないといけない。余計なことは不要である。

自分がコミュニケーション上手だと思う人は、ここに書いたことが自然にできている。ここに書いたことは基本的なスキルとして身に着けられるようにしたい。

相手が誰であれ「空気は自分から作る」という意識をもって今後のコミュニケーションをとっていきたい。文章なら書ける。努力して、まずは書くことにより、ネタのストックを貯めていきたい。

読書『V字回復の経営/三枝匡』

ITストラテジストに興味を持ち色々と調べていた所、あるサイトで「試験対策として、まずこの本を読むといい」と薦められているのを目にした。いわゆる試験対策本よりも、このようなストーリー仕立ての本の方が頭に入ってくるし取っ付きやすいので、本書を試験対策の1冊目として手に取ってみた。

自分は、ストラテジー(=経営)戦略とは何なのか、全くわかっていない。一体、戦略とは何なのであろうか。本のタイトルから推測すると「経営がV字回復した」ということだから、「(悪い)状況を良くすること」だと推測される。それでは、悪い状況は、どうやったら改善ことができるのだろうか。

改革の流れ

まず、具体的な経営戦略適用の流れ(=全体像)を見ていく。本書によると、改革の流れは以下の通りである

  1. 期待のシナリオ(ビジョン、理想像)を持つ(★)
  2. 成り行きのシナリオを描く:このまま行くと(成り行きに任せると)事業はどうなるかを描き出す。現実直視をするということ。
  3. 切迫感を共有する:人為的にトップダウンで、危機感・反省を作り出し共有する。
  4. 原因分析:なぜこんな事になったのか、どんな手を打てばこの状況を打開できるのかを分析する(★)
  5. 改革シナリオ(戦略)を描き出す(★)
  6. 決断:改革シナリオの実行を決断する。
  7. 現場への落とし込み:実際に改革シナリオが現場で実行される(できる)ように、具現化、緻密な落とし込みを行う。政治的軋轢を処理する。
  8. 実行:スピード感を持って、各々改革シナリオを実行する。
  9. 成果の確認:成果を確認し、達成感を得て、次への活力とする。

全体像は以上の通りである。これにより、改革の流れは理解することができた。しかし、実際にこれを遂行するためには、上記(★)に関する戦略と、リーダーシップについてもっと詳しく知る必要がある。以下、この点につき、本書でわかる範囲でまとめていきたい。

戦略の策定

以下、戦略の策定について「ビジョンの確立」「原因分析」「戦略の創出」の3点から掘り下げていく。

「ビジョンの確立」

ここ1~2年強く感じているのだが、上に立つものは、「こうあるべき」という明確なビジョン(理想像)を持っていなければならない。ビジョンを持つためには、「自(組織)と他(組織)を比較して、他者のいい面を知って取り入れる」というのが、手っ取り早くて効果的である。しかし、現状ではなかなか他の情報を得る機会がない。他の情報を仕入れられるチャネルを作る方法がないか、調査をしたい(課題1)。

「原因分析」

戦略を立てるためには、まず何が悪いのか現状を把握しなければいけない。本書では、タスクフォースのメンバーでブレインストーミングを行い、500枚の付箋に現状を書き出して、問題点を抽出した。問題点の洗い出しについては色々な手法があると思うので、学んでいきたい(課題2)。

「戦略の創出」

本書での戦略は「開発-生産-営業-顧客までの距離が短くなる、シンプルな体制を作る」ことである。シンプルにすることで、スピードが早くなる。また、無理なく現実的に実行することができる。さらに、やっていることが可視化・透明化されるので、損益がはっきり見える。この1枚の絵(ビジョン)を社員全員で共有して改革を進めるのである。とりうる戦略は、抱えている問題の原因によって異なってくる。戦略の創出も原因分析同様、手法をもっと学んだ方が良い(課題3)。しかし、シンプルというのは非常に強いものであるということを、昔から感じている。

以上、戦略の策定についてみてきた。次に、戦略を実際行動に移す際のリーダーシップについて見ていきたい。

リーダーに必要な資質

改革を引っ張るリーダーに求められる資質は何か。この本を読んで感じたのは、①情熱、②論理力、③コミュニケーション能力、そして④パワーである。人を動かすには、この4つの能力を、高次元でバランスよく持っていなければいけない。

今回この本を読んでいて、特にパワーの大切さを感じた。改革を遂行する際には、怒る必要がある場面も出てくるだろうが、貫禄が無いと揶揄の対象となったり、無視されたり、反旗を翻される可能性がある。やはり、ある程度、体を鍛えておくに越したことはない(課題4)。また、論理力についても同様である。論理武装するうえで数字は強力な武器となるが、自分は数字力が弱いため、その点についても合わせて勉強をしていきたい(課題5)。

一方今まで、体つきに貫禄はないが、強いリーダーシップを持っていた人もいた。彼らに共通することは、知的に巨大という共通点があった。どちらにせよ、日々自分を鍛えなければいけない。

まとめ

経営戦略とは何なのか、その全体像が単なる知識としてではなく、ストーリーとして頭に入った。経営戦略者が経営全体を見るとして、ITストラテジストの役割は何なのだろう。手法を含め、これからもっと具体的な内容を学んでいくべきである。

自分の置かれている状況を考えると、非営利団体は事業を潰せない。人も切れないため、思い切った改革はなかなか難しい。そもそも利益を目的としていないので、経営戦略は不要とも考えられる。確かに、事業内容によっては利潤の追求は馴染まないと言えるかもしれない。しかし、赤字切り、サービス向上はどの事業でも必要である。また、注目されている団体が行おうとしていることは経営戦略をベースに考えられていると考えられる。「経営の面白さ」「経営の創意工夫」に生き甲斐を見いだせるよう、引き続き経営戦略について勉強をしていきたい。

今後の課題
  • (課題1)他の情報を得る方法を研究する
  • (課題2)原因分析手法を学ぶ
  • (課題3)戦略を学ぶ
  • (課題4)体を鍛え貫録をつける
  • (課題5)数字力を鍛える

読書『The Third Door/アレックス・バナヤン』

この本の著者アレックス・バナヤンは、自分の置かれている状況にフラストレーションを感じている中から、その状況を一変させて夢を掴んだ。どこにでもいるような普通の学生だったバナヤンは、たった数年でTフォーブス誌の「30歳未満の最も優れた30人」、ビジネス・インサイダー誌の「30歳未満の最もパワフルな人物」として選出されるほどになった。一体どうして、彼は夢を掴むことができたのか。

ゴールはどこか

まず、バナヤンの第1の特徴として「夢(ゴール)」が明確ということが挙げられる。バナヤンは「世界で屈指の成功者達から成功の秘訣(サードドアの開け方)を聞き、自分たち若者世代に共有する」ことを、自分の「ミッション」に掲げる。走り出し始め、走り続けることができたのは、そのミッションが鮮明だったからであると言える。たとえ他の誘惑や責務があったとしても、コースアウトすることは無かった。

ゴールは鮮明である必要があるが、走り始めた段階ではそのルート(夢の実現方法)については明確でなくてもいい。試行錯誤していく中で常に最善手を選んでいければいい。バナヤン見てると、漠然とした夢、憧れだけで走り始めて、色々な助言者からのアドバイスをもとに、後から次第に手法がついてきている姿が見受けられる。

本書の中で、ティム・フェリスが幸福の反対は「退屈」であり、幸福の同義語は「興奮」であると述べている。バナヤンにとっての興奮はミッションであり、ミッションを通じて見る世界であった。自分にとっての興奮とは、自分の本当のモチベーションは何だろうか。

走り抜ける行動力

2つ目の特徴は、その行動力に見られる。バナヤンは自分の夢、ゴールに向け、短期間で全力疾走をしている。とにかく、ミッションを達成するために、成功をしている人に直接会いインタビューをとるために、あらゆる手段を尽くす。これは、恋愛に似ている。

惚れ込んだ対象に、アプローチするにはどうしたらいいか。好きな人に会うためには、会うに見合った知識がないと(会うに見合った人物にならないと)いけない。そのために、相手に失礼のないようできる限り自分を高め、相手を喜ばせられるようになることが必要である(それは成長に繋がる。)しかし、いつまでも怖気付いていては何も進展しない。失敗を恐れず、どこかで勇気を振り絞って、一歩踏み出さなければいけない。

まとめ

バナヤンは、サードドアの叩き方を成功者から聞き取ろうとするが、まさにこの青年の生き方こそがサードドアの叩き方に感じる。自分は、短く一度きりしかない人生で、一体何を残すことができるだろうか。何を成し遂げたいのか。それがわからないと、一生変化は起こせない。